温故知新 不易流行

日本酒の伝統技術を守り
時代に合わせた日本酒の
新たな価値への挑戦

当酒蔵のある山形県鶴岡市は、
広大な庄内平野にあり古来より稲作が盛んです。
東に位置する霊峰月山に蓄えられた月山山麓湧水群は、名水百選にも選ばれています。
庄内平野にはその清らかな名水が
豊富に流れ入ります。

そして昼夜の寒暖差が大きいことも
プラスとなり、
日本を代表する美味しいお米の
産地となっています。

水と米を贅沢に使えることの喜びを感じながら、
お客様に日本酒を楽しんでいただけるよう、
歴史を積んできた酒蔵で、挑戦を恐れず酒造りに努めております。

洗米から製麹(せいきく)

製麹とは、麹造りのことです。

米を洗米し蒸したものに、麹菌を振りかけ麹(こうじ)を培養します。湿度と温度を管理された室内で、麹菌を米の一粒一粒に均一にいきわたるように振りかけます。そして蔵人の手で丁寧に全体を混ぜ合わせます。

この後からの酒造りにおいて麹は、中心的な役割を果たします。麹の質が酒の仕上がりを決定すると言っても過言ではありません。
米の精米から製麹までの作業は、気の抜けない重要な役割を担っています。

生酛造り(きもとづくり)

デンプンを糖に変える米麹(こめこうじ)と、糖をアルコールに変える酒母(もと)を造り、この3つを仕込み水に入れて、日本酒のもとになる醪(もろみ)を醸造します。
もと(酒母)は、蒸米と米麹に少量の酵母を加えて培養し、適量の「乳酸」を含ませます。乳酸には、酒母を酸性に保ち、酵母を育てるとともに、雑菌を抑えるはたらきがあります。
ここで蔵に自然と住み着いている天然の乳酸菌を取り入れ、じっくり時間をかけて増やします。これが「生酛造り」です。

乳酸菌が多く住み着いている古い酒蔵だからこそ行える製法で、大山地区では当社だけとなっています。
天然の乳酸菌を利用するために味を安定させることが難しく、また酒造りの元となる酒母を造るのに通常の倍の時間と手間がかかります。

生酛造りの酵母は最後まで糖分をアルコールに変えるため、雑味が少なく、キレのある辛口に仕上がります。
甘酸っぱさとコクのある味わいは、肉料理によく合います。
また温めるとまろやかな風味が広がりますので、お燗でもお試しください。

「生酛造り」という今から1,100年前の平安時代以前から行われている酒造りだけでなく、明治の終わりから始められた現在の主流である「速醸」でも酒造りをしています。また必要なところには新しい機械も取り入れ、常に改善しようと努めています。
改革は惜しみませんが、真剣なまなざし、酒造りの姿勢は変わりません。

1本1本心を込めて

一番おいしい状態の製品を届けるために、最善のタイミングで瓶詰を行います。

お客様が酒を口に含む瞬間を想像しながら、「旨い」と感じていただける酒を目指して、渡會本店の酒の造り人一同、努力してまいります。

株式会社高研様の YOUTUBEでは、渡會本店の酒造りが紹介されています。

[Introduction of the sake brewery] Rice fermented extract, Sake lees aging fermented extract

出羽路に酒あり